ノート
スライド ショー
アウトライン
1
システム安全
における
リスクアセスメント
の考え方
  • 明治大学理工学部情報科学科
  • 向殿政男
2
安全で安心な社会の
構築に向けて
  •  環境
  •  安全ーー信頼性
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信頼性技術の守備範囲の進展
  •  部品の信頼性
  •  製品の信頼性
  •  ソフトウエアに信頼性
  •  システムの信頼性
  •  品質の信頼性
  •  ヒューマンインターフェースの信頼性
  •  組織の信頼性
  •  サービスの信頼性
  •  −−−−−−(人間的側面,人間の価値観)
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安全のジレンマ
  •  安全性と
  •  コスト
  •  利便性
  •  快適性
  •  効率
  •  機能性
  •  経済発展
  •  責任
  •  公共性
  •  文化的風土
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システム安全の重要な国際規格
  • ・ISO/IECガイド51:
  •  規格に安全面を導入するためのガイドライン
  • ・ISO12100:FDIS(JIS化の途中):
  •   機械類の安全性−基本概念,一般設計原則規格
  • ・ISO14121(JIS B 9702) :
  •  リスクアセスメントの原則
  • ・ IEC61508(JIS C 0508):
  •  電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全


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死亡者数の推移
7
機械安全の国際標準
の動向

  • 機械安全の規格制定の経緯
  • 標準の階層化
  • 国際安全規格の特徴
  • 許容可能なリスクと安全
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安全性に関する世界の規格化の動向(ISO/TC199)
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設計者とユーザの義務範囲の関係
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規格で示される主要な
安全方策
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リスク(Risk) の定義
  • 危害の発生する確率及び危害のひどさの組み合わせ


  • 危害のひどさを金額で評価し,組み合わせを掛け算とすれば,すべてのリスクは比較可能!!
  • 安全はそうは行かないだろう!?
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危害(Harm)の定義
  • 人体の受ける物理的傷害
  •   若しくは
  • 健康障害
  •   (又は
  • 財産若しくは環境の受ける害)
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許容可能なリスク(Tolerable risk)の定義

  • その時代の社会の価値観に基づく所与の状況下で,受け入れられるリスク
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安全(Safety)の定義
  • 「人への危害または損傷の危険性が,許容可能な水準に抑えられている状態」


  • 「受け入れ不可能なリスクが存在しないこと」


  • 「受け入れることの出来ないリスクからの開放」
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リスクの問題点
  • リスクの大きさを如何に測るか?
  •    ーーリスク評価


  • 何を以って許容可能なリスクに達したと判断 するのか?
  •        ーー安全目標
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ランク付け
  • A 危害のひどさ    B 頻度
  • 1:無視可能な        1:信じられない
  • 2:軽微な          2:起りそうにない
  • 3:重大な          3:あまり起らない
  • 4:破局的な         4:ときどき起る
  •                5:かなり起る
  •                6:しばしば
  • C リスクの大きさ
  • 1:無視可能なリスク
  • 2:許容可能なリスク
  • 3:受け入れられないリスク
  • 4:まったく受け入れられないリスク


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安全目標
  • どこまで達成すれば安全か?
  • 自然災害と同程度以下?
  • 具体的な数値は機械により,場合により異なる
  • 明示しないメリット?
  • 許容可能なリスク:その時代の社会の価値観に基づく所与の状況下で,受け入れられるリスク


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国際規格における機械安全の現状
  • 機械安全と認証制度/保険制度/法制度
  • --強制法規か任意規格か? 責任問題は?--
  • 機械安全とグローバルスタンダード
  •  --世界的安全の実現か,貿易の円滑化か,経済戦略か,文化侵略か--


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機械の包括的な安全基準
  • 「機械の包括的な安全基準に関する指針」について
  • 1 指針の目的について
  • 2 指針に基づく機械の安全化の手順について
  • 3 リスクアセスメントについて
  • 4 製造者等が行う安全方策について
  • 5 使用上の情報の提供について
  • 6 機械を使用する事業者が行う安全方策について



35
機械の包括的な安全基準に
関する指針の概要
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包括安全基準委員会の
当初の目的
  • 労働の現場で使用する機械設備は,この包括安全基準を満たすことを要請する,
  • 具体的な個別機械の構造規格はJIS規格として定めてこれを満たせば包括安全基準を満たしたと見なす,
  • 基準を満たしているか否かの検定は民間の認証機関に任せる,
  • 少なくとも,現在,厚生労働省が特に危険な機械として指定して強制規格として定めている特定機械の構造安全規格は,この包括安全基準を満たすように改定する
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安全な機械設備を製造するインセンティブ?
  • 強制法規による罰則?
  • PL法などで法外な賠償金を払わねばならなくなるという危機管理の点?
  • 怪我をさせるような機械を作ってはならない,流通させてはならないと言う技術者倫理や業界の良識に期待?
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我が国の当面の課題
  • ISO /CD12100の内容や考え方をを、一刻も早く現場の技術者を始め、安全関係者に知って貰う。
  • ISO 12100が制定されると同時に、同内容をJIS 規格として制定する。
  • 製造メーカーには、機械を安全に作る義務と責任があることを明確にする体制を確立する。
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我が国の当面の課題(続き)
  • 労安衛法の内容を必須要求事項の様に包括的な安全基準とし、JIS 規格をその補完する技術仕様の位置付けとする。
  • 認証機関として多くの第3者機関および民間機関を発足させる
  • 安全技術の確立に務め、わが国からISOまたはIEC等に積極的に貢献してく。
  • 安全技術を中心として産業を育成する
  • 安全の標準/技術/教育に従事する人間を積極的に育成する。
  • 安全(工)学を確立する




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---今後の展望---
  • 産業における安全の位置付け
  • 安全技術定着のインセンティブは何か
  • 我が国の在るべき方向
  • リスクの合理的で冷静な理解を
  • 安全に関しての公平さ
  • 何を以って国是とするか
  • 安全文化の定着に向けて