dma2000

(シー・ディー・エム・エー・ニセン Code Division Multiple Access 2000)

 

正式名称IMT-MC(MC-CDMA)。一般にはCdma2000という。

  cdma2000は現行cdmaOneのIS-95の上位規格にあたるもので、IMT-2000(第三次携帯電話)にも提案され、正式な無線インターフェイス規格の1つとして認められている。cdmaOneの技術をベースに拡張しているのが特徴で、事業者にとってcdmaOneからの移行が比較的容易であるという特徴を持つ。ちなみに日本国内では、KDDIグループのau(旧 IDO)がcdmaOneによるサービスを行っている。既存の1.25MHzの基地局設備をそのまま利用して設備投資を行えばいいため、W‐CDMA方式に比べると安価で1/3〜1/4程度に抑えられる。

  cdma2000には、周波数の使い方と、通信速度により1xMC(または1x)(MC:Multi-Carrier)と3xMC(または3x)という2種類の規格がある。また1xEVという仕様の中に、パケット・データ通信規格のシステムとしてHDR(High data rate)を利用した1xEV-DO(または1xHDR)と、通話とデータ通信の両方の仕様を規格した1xEV-DVがある。

  1. cdma2000 1x

  2. cdma2000 3x

  3. cdma2000 1xEVEvolution

    1. cdma2000 1xEV-DO(Evolution Data Only)

    2. cdma2000 1xEV-DV(Evolution Data and Voice)

以上の3つが現在ある規格である。

  1. cdma2000 1x

  1xでは、cdmaOneの通信で用いられる帯域幅1.25MHzのチャネルを1本だけ使用する。1xは144kbpsのパケット交換を行う。
  1. cdma2000 3x

  IMT-2000最大2Mbpsの通信速度を実現するには,5MHzの周波数帯域が必要になる。しかし米国の周波数事情によって,新たな割り当てが不可能なため,3xは1.25MHzの帯域幅を3つ合成し3.75MHzを下り方向に運用することで実現した。
  IMT2000としては3xが認められているが、いずれも既存のcdmaOneシステムからIMT2000方式への経済的な乗換えを考慮した方式である。
  3xはW-CDMA方式と同じ2Mbpsの回線交換とパケット交換を行う。
  1. cdma2000 1xEV

  1.25MHzの帯域幅を利用した1xをさらに高速化させたもの。1xとのデュアルモード対応による音声いとデータの共用。HDRの基地局が整備されていない場所でも1xを利用することにより携帯電話の使用が可能となる。
  1. cdma2000 1xEV-DO

  QUALCOMM(クアルコム)社が提案したもの(HDR)で、1xの1.25MHzをデータ・サービスに特化することで、最高2.4Mbsの高速データ転送を可能とする。
  cdma2000 1xとのデュアルモード対応による音声とデータの共用。HDRの基地局が整備されていない場所でも1xを利用することにより携帯電話の使用が可能となる。
 
○今後の予定
KDDIで2003年4月からcdma2000 1xEV-DOのサービスが開始。
4月から関東地区で試験的サービス開始。
10月から関東地区で本格的サービスを開始。
2004年3月から中部、関西地区にエリア拡大。
  1. cdma2000 1xEV-DV

  データと音声通信に対する仕様であるが、現在標準化に向けて検討中。1.25MHzの帯域幅を1xとHDRの2つで利用する技術である。

最後にcdma2000 1x, cdma2000 3x, cdma2000 1xEV-DOの3つの規格を比較してみる。

 

cdma2000 1x

cdma2000 3x

cdma2000 1xEV-DO

周波数帯域

1.25MHz

3.75MHz

下り最大5MHz

1.25MHz

通信速度

上り(最大)

64Kbps

高速移動時144kbps

歩行時384kbps

153.6kbps

下り(最大)

144Kbps

2Mbps

2.4Mbps

平均600kbps

 

 

 

  

 

  現段階でcdma2000 3xHDRをQUALCOMM社が開発中であるが、今のところ1xEV-DOの3倍の通信速度よりも遅いものになると思われる。詳しいことはまだ未定である。

  また第3.5世代で最大30Mbps、第4世代で最大100Mbpsと規定している。この世代の構想はすでに現在のADSLなどよりもはるかに早い通信速度である。携帯電話にこれだけの通信速度を備えることによって何を模索していくのか興味のあるところである。

 

文責:伊藤 雄介、武田 匡平、内藤 大介(2003.01.14)