IMT-2000
(アイ・エム・ティ・ニセン、International Mobile Telecommunication 2000)
ITU(国際電気通信連合)が勧告している次世代移動通信方式の国際規格。第1世代の携帯電話がアナログ方式、第2世代が最初のデジタル方式であり、IMT-2000はその後継となる第3世代(3G)である。
これまでの移動通信サービスでは、日欧米で規格が異なっていた為に国際的なローミング(相互運用)ができず、また、データ転送速度が遅くてマルチメディアに対応できないなどの問題があり、そこでITUにより新たな国際規格作りが進めれらた。
2000年代の商用化サービスを念頭に1985年から計画の策定が始まり、1999年に主要な規格内容が決定し、2000年5月に基地局・端末間の地上無線部分の規格が正式に勧告された。しかし、現行システムからの移行における交換機などの設備の互換性の問題により、各国および各ベンダの主張を1本化できず、通信方式としてはNTTドコモやJ-フォン及び欧州のW-CDMA、KDDI及び米国のcdma2000など5種類の方式が勧告される事となった。そして、2001年5月にNTTドコモの「FOMA」が、世界に先駆けて試験的にサービスを開始した。なお、IMT-2000の「2000」には2000年代の意味と、2GHz帯(約2000MHz)の周波数を使用するという意味がある。
IMT-2000では第2世代までの携帯電話サービスと比較して、高速なデータ転送速度、有線電話並みの音声品質、国際的なローミングサービスなどの特長を持つ。
データ転送速度に関しては、静止時2Mbps(2048kbps)、歩行時384kbps、自動車などの移動時で144kbpsを実現する。これにより映像の送受信が容易となり、携帯テレビ電話、新着ビデオなどのクリッピングサービス、スポーツニュースのダイジェストの視聴などの有望なサービスが期待でき、また、音楽データをダウンロードして購入するといったサービスなど、携帯電話の概念その物が変化する可能性がある。
国際的なローミングサービスに関しては、5種類の方式が勧告されてはいるが、今後システムのグローバル化が進む事により、世界中どこでも使える携帯電話の登場が期待できる。
参考URL:ITUのIMT-2000関連ページ http://www.imt-2000.org/portal/index.asp
文責:大橋 伸吾(2003.01.14)
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